コロナワクチン

ℚ. 追加(3回目)接種には、どのような効果がありますか。

🅰. 追加接種を行わなかった場合と比較して、デルタ株等に対して、感染予防効果や重症化予防効果等を高める効果があります。

日本で接種が進められているワクチンは、デルタ株等に対して、発症予防効果等がある一方、感染予防効果や、高齢者においては重症化予防効果についても、時間の経過に伴い、徐々に低下していくことが示唆されています 。一方、追加接種により、低下した感染予防効果や重症化予防効果等を高める効果があることが、臨床試験や様々な疫学研究等で報告されています。

イスラエルで実施された、ファイザー社のワクチンの接種後の情報を集めた研究では、追加接種した場合における入院予防効果は93%、重症化予防効果は92%、死亡に対する予防効果は81%であったと報告されています(※1)。さらに、60歳以上で追加接種を受けた場合では、追加接種を受けなかった場合と比較して、感染例の発生率が11.3分の1、重症例の発生率が19.5分の1であったとの報告もあります(※2)。

また、米国で実施されたファイザー社のワクチンの追加接種に係る臨床試験の結果によると、18~55歳の被験者を対象に、ファイザー社のワクチンの追加接種を行い、血清中の新型コロナウイルスに対する中和抗体の増加状況を確認したところ、3回目の接種から1ヶ月後の中和抗体価は、2回目の接種から1ヶ月後の中和抗体価よりも数倍高い値であることが確認されています(※3)。
なお、ファイザー社のワクチンについては、日本では令和3年11月11日に追加接種に係る薬事承認がなされています。

武田/モデルナ社のワクチンについては、米国で18歳以上を対象に実施された臨床試験の結果によると、追加接種から28日後の中和抗体価は、2回目接種から28日後の中和抗体価よりも高く、本剤の追加接種により臨床的な有効性を支持する免疫応答が認められると判断されています。日本では令和3年12月16日に追加接種に係る薬事承認がなされています。
なお、武田/モデルナ社のワクチンの追加接種では、初回(1回目・2回目)接種時の半分の量を投与することとされています。臨床試験では、初回接種の半分の量でも血清中の中和抗体価の上昇が認められ、必要な免疫応答が得られたことが確認されています。米国や欧州においても、追加接種では初回接種の半量を投与することで緊急使用許可又は薬事承認がなされています。

なお、オミクロン株に対する効果はこちらをご覧ください。

今後も、新たな知見が集積され次第、速やかにお知らせしていきます。

(参考資料)
PMDAの審査報告書(ファイザー社のワクチン)
PMDAの審査報告書(武田/モデルナ社のワクチン)
追加接種の効果(第26回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
追加接種でモデルナ社ワクチンを用いることの有効性・安全性(第27回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料より抜粋)
※1:Lancet. 2021; S0140-6736(21)02249-2
(Effectiveness of a third dose of the BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccine for preventing severe outcomes in Israel: an observational study)
※2:N Engl J Med. 2021; 385:1393-1400
(Protection of BNT162b2 Vaccine Booster against Covid-19 in Israel)
※3:N Engl J Med. 2021; 385:1627-1629
(SARS-CoV-2 Neutralization with BNT162b2 Vaccine Dose 3)